生物の授業中に廊下側の一番後ろの席で友達と笑いをこらえていた。
あたしが板書をノートに書いていてグラフを書き写そうとしていたところ、
先生がまさにあたしの書こうとしてるグラフの前に立ちはだかった。
「先生が隠した・・・」
と、隣の友達に耳打ちしたら思いのほか自分でも笑いのツボにはまって、
ずっと笑いが止まらなかった。


なんとなく本を読もうと思って図書室に行った。
「袋小路の男」を1時間で読んだ。
名作らしい名作しか読んでなかったあたしが久しぶりに普通の本を読んだ。
ひとつの文が短く淡々としていて読みやすかった。
田切さんがもう好みすぎでしょうがなかった。
冬のソナタ以上の純愛。
好きな人と一度きりの夜を過ごすか何もしないでずっと一緒にいるか。
あたしはどっちを選ぶだろう。


あたしを探してる人の正体がわかった。
同じ中学だった1個年上の男の先輩だった。
その人はサッカーで有名なんだそうだ。
でもまだ彼とあたしの共通の友達には黙っておこうと思う。


疲れていたけどストールが欲しかったのでフラフラと買い物しようと、
エスカレーターに乗っていたら前にいた男の人が相当背が高かった。
そしたらその人に声をかけられた。
その人はSHIMAの人で名刺を渡されてモデルになって欲しいと言われた。
あたしはぼんやりとSHIMAってあのSHIMAかぁ・・・と思っていた。
ただ日曜の19:30からだったのでバイト先に電話をした。
店長にかわってもらって土曜ロングで構いませんので日曜を休みにして下さい、と
言ったらシフトももう出ていてその上休日なのにも関わらず希望が通った。
ありがとう店長!気に入られてるって実感したぜい。
それで少し買い物してバスに乗って帰った。


バスから降りたら空気がひんやりしていた。
ヤツとキスをしてから2年、もう金木犀のかおりもしない。