図工の時間に体操をしている人を描かなければならなかった。
小学校低学年のときだった。
あたしは動いているところを表現したくて、
左腕を3本描いた。
1枚の紙に凝縮させてしまったのだ。
あたしはまだそれを上手に口で表現することができなくて、
先生や友達に笑われた。
家に持って帰ったけど親には見せなかった。
昨日それをなんでか思い出してしまった。


世の中には頭だけになっちゃいたい人もいるけど、
あたしは逆に体だけになっちゃいたい。
もっと考えるよりも先に。

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人に聞かれないようにと思って、
腕を引っ張って耳元で喋ろうとしたときに
すごい勢いで振りほどかれたのを覚えてる。
欠点まで含めてそれでも好きと胸張って言えなくなって、
距離や時間があるのはこういうものだなあと思う。
でも中途半端すぎる結末で納得できないまま。
多分好きでも好きじゃなくてもヤツが
もう一度戻らないと何もできないような気がする。