バイクのうしろにはじめて乗った。


最初はこわくてきゃーきゃー言ってたけど、
途中から慣れて楽しいものだなぁと思った。
それに男の人に乗せてもらうのっていい!
腰に手を回すのは違うだろうと思って
肩に手をおかせてもらいながら、
少しお話しつつ真夜中を海に向かって走った。


中学生のころまで自転車が主な移動手段で、
高校になって原付を取りたいと思いつつ
電車とバスで移動が基本。
いつのまにか18歳になって車の免許を取得して、
それから車に乗ったり乗せてもらったりだったから
バイクとは縁遠かった。
21歳にして初バイクだった。


飲み会はウイスキーのロックを飲んでふらふら。
記憶はある、しかしふにゃふにゃ。
そんな感じだった。
途中で大学も一緒の先輩とコンビニに行って
アイス買ってもらったりした。わーい。餌付けか。
あとは朝も近い時間帯に砂浜に寝てみたり。
砂浜はつめたくて気持ちがいい。


系列店の人がいつのまにかきていて、
そういえば夜中に
「超仕事できる女の子が入ったってきいたよ!」
って声かけてくれた人だと認識するのに
少し時間がかかった。
方面が一緒だったのでその人とタクシーに乗って
しかもその人が代金まで払ってくれた。
「返すので連絡先教えてください」
と言うと
「いいけんいいけん!
 今度こっち(系列店)のほうに食べにおいでね!」
と言われた。
朝日でその人の顔がきらきらしていた。

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夜は中学時代の男の先輩に会った。
なんだかんだでそろそろ付き合いも2桁突入しそう。


でもわたしの近頃の潔癖具合がひどくて、
彼について相談したくて連絡をとったのだけど
1件目で失敗したかなぁと思い始めた。
2件目は梅酒のバーだったのだけど、
店長や他のお客様とのお話は楽しかった。
でも勝手に雰囲気に酔ってるような先輩が、
「いい店やね」
なんて言うのに賛同できなかった。
うん、いい店だけど隣にいる人間が違うと思う。
さらには軽くぽーんと寄っかかられたりして、
人に触られたりするのが嫌いなわたしは
ものすごくぞわーっとした。
さわんないで。
さわんないで。
さわんないで。
わたしをさわっていいのは彼だけなの!
近さゆえに聞こえてくる
先輩の息遣いすら気持ち悪く思えた。
でも3件目のラーメンまで付き合ったわたしは何なんだ。
帰ればよかった。
しかも1日で飲食代に4000yenも使ってるなんてばかみたい。
同じ金額を使うならもっと楽しい時間が過ごしたかった。
先輩以外の誰かと。
むしろ彼と。