デート当日。


時間ギリギリまで着る服が決まらず
(しかも数ある洋服の中からという意味ではなく)
(まずその選ぶために買わなければならないという)
地元にいるのに午前中から天神にでかけたりした。


夕方になって友達から応援メールを何通ももらった。
友達が誕生日にくれた入浴剤でお風呂に入って
髪を巻き巻きしてメイク。
ボルドーのアイラインに色っぽさをこめて。


でもおおよその時間になっても連絡がなくて
わたしが意気込んでいる
(のは彼は知ったこっちゃなかろうが)
日すら心を折る気か・・・!とはらはら。


予想では19時半くらいだろうと思ってたのだけど
彼のお母さんが夕飯をひとりでたべることになるのを
可哀想に思った彼は家で夕飯を食べることにしたらしい。
そんな彼はマザk・・・やさしい。
結局21時過ぎに彼が彼女(という名の愛車)
でわたしの家までむかえにきてくれた。
ここ最近は研修が市内だった彼が
仕事帰りに部屋にくるパターンの繰り返しで、
私服の彼を見るのは久々だった。
数年前はあんなに毎日見てたのに。
ぐだぐだ話をしながら海に行って星を見たり
近くの若者がしていた花火を勝手に楽しんでみたり。
ふたりで星空の海辺!それなんて告白タイム?
と思いつつまだデートは始まったばかりだ。
失敗したら即帰宅コースを恐れて言い出せず。


それから洗車する彼を手伝うわたし。健気。
洗車も終わるころには日付も変わっていた。
地元への道のりで焦りが生じてきた。
言わなきゃ言わなきゃ言わなきゃ・・・!
バイパスを降りたら、
あの信号を過ぎたら、
橋を通り過ぎたら・・・!!


「あっこの路肩停めていい?ねみぃ」


かかかか神様・・・!
もういくらでもどうぞ!


その路肩は家まであと3キロほどの場所だった。
でも彼の集中力は限界を迎えたようで、
彼は後部座席を倒して眠り始めた。


つづく。