余裕を持ってマンションに戻るつもりがギリギリになって、
友達に遅れると連絡をして予定より30分後に落ち合う。


「この前彼にデートしようぜって言ったときに、
 なかなか彼の予定が合わなくて
 あたしがあした死んだらどうするんって言ったら
 死なんけん大丈夫とか言われて」
なんて話してて気付いてしまった。
そして過去のことも思い出した。
高校を卒業したころに彼と彼との共通の友達と遊ぶことになって、
ふたりから着信があったけどバイトでとれなかったことがあった。
それで、バイトあがってからまっさきに彼にかけなおした。
その数日後だったか数ヵ月後だったか、
彼の共通の友達に言われたことを思い出した。
あのときふたりは一緒にいて、
「きっと俺のほうに先に折り返しがくるよ」
と彼は言ったらしい。


これらを踏まえて、
彼はあたしに好かれているのを確信している。
悪く言えばキープされている。
あたしで手を打たないかといいたいところだけど、
なんだかそういうのがくやしくてくやしくて、
久々に彼のことがにくくなった。
あたしはキープなんかにおさまりたくない。

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この先一生誰の特別にもなれなくていいから、
あたしは彼だけの特別になりたい。