チャイムが鳴るとどっきりする。


音は最小にしてあるけど、それでもこわい。
23時過ぎにエントランスのチャイムが鳴った。
普段ならこわくて出ないけど彼かもという淡い期待で出てしまった。
彼>恐怖なのだということを自覚した。
彼のためならかみなりの下を傘さして歩けるよ。
かみなり嫌いの人間の勇気。


「はい」
「あ・・・あ・・・」
「(カオナシかよ!)
 (彼じゃない・・・だれだ)」
「すみません間違えました」


でしょうね。
仮に彼だったとして荒れた部屋と高校のジャージ姿でどうするんだろ。