あたしがなりたいのは彼のお嫁さん。


今日国道の隣を歩いていたら猫が轢かれていた。
そのあと業者さんがやってきて
スコップで黒いゴミ袋に入れられていた。
目をそむけたかったのに結局最後まで見た。
愛猫が追いかける愛犬はもういない。
よく散歩で通った道。
子どもをなくした母親の歌。
ふとしたときに思い出す最期の日。
時間が経てば経つほどに苦しくなってくる。
忘れたくない。でも思い出したくない。
あの日を迎えてからあたしがはじめて心から
湧き上がるように笑えたのは彼からのメールだった。


今日早朝4時半ごろ夢の中で携帯が鳴っていて
メールだろうと思っていたら長々と鳴り続けて
いつのまにかあたしは現実に引き戻された。
携帯はまだ鳴り続けている。
名前を見るとあまり連絡をとってない友達。
電話に出ると無言。
返事がないので一回切ってメールをしてみた。
夏ごろにその子のお父さんが亡くなったので
あたしは自殺するんじゃないかと不安になって、
もう一度朝目覚めてもなんだか気が気じゃなかった。
結局その子は携帯を開いたまま眠ってたらしいです。
よかった。