泣きたいのをおさえてしまう癖ができた。
でも喉が圧迫されるような気がしてそれから目の前がにじむ。
あたしが受験した大学に全部落ちたことを告げると
先生や友達みんながみんな冗談だろうという顔をする。
(どんだけあたし頭いいって思われてるんだ)


あたしは基本的には勉強においては若干要領のいいほうだけど、
でも心の揺らぎ具合が半端ないのだ。
彼のせいにしてしまうのはきっといちばん簡単。
でもそんなふうに思っても何も変わらなくて、
やっぱり心の弱さを認めてしまうのが
あたしにとっていちばん納得できる方法なのです。


これからは彼から離れてゆったり勉強しよう。
浪人してよかったって言えるようになりたい。
どんな状況でも楽しめるようになりたい。
結局は死ぬまでの暇つぶしなんだから
適度に気を抜きつつ楽しく生きていければそれでいいよね。


(唯一救われたのは初日と最終日あたしの後ろの息の荒い人も落ちてたこと
 その人はうかってたらあたしの落ち込みようはきっとひどかったはず)

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小雨が降っていた。
11時になって学校関係者が合格者の受験番号を張り出す。
友達は見る勇気がなくてもう少ししてから見る、と言ったので
あたしは友達に受験票をあずけていることを忘れて別れてしまった。
仕方がないのでおぼろげに覚えている番号を
目の前の掲示と照らし合わせてみる。
どの日程も芳しくない結果だったのに希望は捨て切れなかった。
最後の日程を見るとあたしの番号があった。
しかも備考欄には「学科内成績優秀者第一位」と書いてある。
信じられない。
その目の前で呆然と立ち尽くしていると、
何やらその番号の前に学ランの男子学生が3人ほどいた。
「お前すげぇじゃん!」
「さすが留学してただけあるなぁ」
「あー、俺も信じられない」
それは中学の同級生だった**くんだった。
そしてあたしの番号だと思ったのは**くんの番号だった。
いつのまにか雨は土砂降りになっていた。



って夢でした。