「あたしよりあのこを選んだ」


コーンスープを床にぶちまけた。
飲みたかったのに。最後の一袋だったのに。
ささいなことだけどあたしは涙がでそうなほど悲しい。
迷惑なデリケート。


機嫌悪くてどうしようもなかった。
電車の中では泣きそうで、最初の授業の前には
「おうちにかえる」と何度もわめいたあげく、イライラ。
今日は冗談でも意地悪されたらあたしはもうダメになると思った。
全部うっとうしい。


男でも女でもあたしだけをみてて。
あたしを無視しないで。さえぎらないで。
ひどくこわくてあたしはまた言葉がでなくなる。
この風邪で喉をつぶしてしまいたい。
絶対裏切らないものが欲しい。
可愛い人もどうでもいい。


「病気なのはわかるけど、模試同じ教室でうけようよ
 センター試験はそんなことしてもらえないし」
そうやって友達に言われた。
そんなことあたしはわかってる。わかりきってる。
あたしがどれだけ病気のせいで苦しいか知らないくせに。


踏み込んでこないでほしい。もうやだ。