眠い。
携帯が鳴ったのさえ気付かなかった。
今日は乗り過ごしませんように。
もうヤツに電話できそうなくらいに切羽詰ってるのに、我慢してる。
ヤツの都合じゃなくてあたしの都合。
逃げちゃわないうちに解決しなきゃ。
学校が嫌いになりそうだ。学校というよりは学校の人間。
何もイライラしたりする必要はないのに、してる。
「ライブするからきてな!見てほしいから!」
こんなメールにイライラしてる。
(あたしが異常なんです)
どのあたりがイライラするのか考えてみた。
「!」が多い。必死感漂う。でもヤツだったら全然許せる。
こんなの所詮、相手の問題です。
女々しいと一度思ったら何してもそう見えるような感じ。


いってきます。

    • -


定期を忘れて家に帰った。
距離に疲れ果ててもう学校行きたくないと思った。


友達にブーツを貰った。
最初は売るつもりだったみたいだったけど、タダで貰った。
ベージュのくしゅくしゅブーツ。
お返しにマグカップを買った。あした渡そう。
それからエクステの話をその友達とした。
「エクステつけたいなー」
「友達が美容師だから安くつけられるよ?
 なんかイベントみたいなのがあってあたしはメイク部門に出るんだけど、
 カットのほうで可愛い友達紹介してーって言われてて」
「えええ!」
「『どんな感じの子がいいのよ』って言ったら
 『あー、小動物系?』って言われたからユカちゃんだ!って思った」
「どこをどう見れば小動物なの?」
エクステ1本50yen。しようかな。
美容室の広告にも載っちゃうような可愛い友達。
あたしはその子が可愛くてとても大好き。


それからミスドでドーナツを食べてたら友達の彼氏がきた。
彼女といるところを見るのは少し嫌だな。
ヤツが好きなのにかわりはないけど。
地元で本屋に寄ろうと自転車を止めていたら、
専門学校生のような男の人がバッグからファイルをバサッと落としたのに気付いていなかった。
気付かないものだなー、と思いながら拾って店内でその人を探した。
「落としましたよ」
「あ、どうも!」
それから店内をフラフラして雑誌を読んでいたら、
「さっきはありがとうございました」
と言って彼は店を出た。


もう眠い。