彼がいよいよ掴めなくなった
写真もどうやって撮っていいかわかんなかった
魅力がわかんなかった
見失った


夏のことを思い出して叫びだしたくなったかと思えば落ち込んで
でも日常は勉強とバイトと趣味で9割埋まっていたから
彼がいないことにも慣れている
数ヶ月会わないのも数週間連絡とらないのも普通で
あの日を境にある種の諦めを彼に見てる
なので近頃は離れようと意識して必要以上に連絡はとってない
別れたあとはずっと
「あの時あんなことさえ言わなければ・・・」
と後悔していたけど遅かれ早かれ別れることになったと21歳の今は思う
彼とわたしの考え方は根本的なところが一致してないからだ
(お互いが歩み寄ればやっていける程度のものだけど)
(むしろその部分は愛しかったり魅力的でもあるのだけど)
多感な数年間を友達や恋人や家族的視点でながめてきた人のことを愛しいと思う
でももう離れなければいけない
自分の中心にしてしまっていては失うものが多すぎる


でも今日見た夢がこわかったから連絡をとってしまった
寝起きの声がセクシーだから夜の遅い時間にかけてしまう
少し調子の悪そうな声と相変わらずの会社に行きたくなさそうな様子だった
「大丈夫?」
「何が」
「歯が抜ける夢見たから
 自分に近い人に不幸が起こるらしい」
「お前のせいで俺の喉が・・・!」
お前のうつした風邪のせいで38度の高熱を出したよと教えてあげたい
「何もない・・・わけじゃないけど大事じゃないならよかった
 気をつけてね」
「うん
 ・・・わざわざありがと」
「いいえ、おやすみ」
「おやすみー」
電話切ったあと口角緩みっぱなしの自分がキモチワルイ
でももうそろそろ離れなきゃいけない
一緒にいることとしあわせがイコールにならない限り


バイト先の新人さんに名前をさん付けで呼ばれるようになりました
ユカさん・・・ユカさん・・・ユカさん・・・(エコー)
いつか年下の男の人と付き合ってそう呼ばれるのが夢です
別に年下の男の人限定じゃなくていいよ!
みんな呼んでいいよ!SAY!