もうないがしろにされるのにつかれた。


ここ最近はずっとそういう気持ちが強くて
そのままないがしろにされるのを受け入れたり
「怒ってない」ともやもやしながら言ったりしていた。
でもそれも限界にきて言わずにはいられなくなった。


土曜の夜に友達に連絡して今日会う予定だった。
時間は当日に連絡といういつもの形で、
わずか数分の電話を切った。
今日は3限しかないから授業が終わったあとに
友達に18時くらいでいいかとメールをしてみた。


「できれば雨の降ってない日で!」


あまりよく意味がわからなかったけど、
腹が立つというわけではなかった。
でもあたしはプレゼンの準備に追われて
今日しか時間がとれなさそうだったので、
できればという譲歩のついたものは変えられると思った。


「な、なんだってー!
 あたしが爆発してもいいのか!どかーん!」
「今日は原付やけんずぶ濡れになるんよ
 申し訳ない!またすぐ機会つくるから!」


ここでなんだか一瞬にして目の前が暗くなる感じがした。


「だったら最初から約束しないで
 たのしみにしてた自分がかなしい」


福岡は雨。
それは朝から空を見てればわかる。
じゃあ原付ではなく最初から
地下鉄なりバスなり選べばよかったのではないだろうか。
もしくは原付できてしまって雨が降ることに気づいたら、
気付いた時点で連絡をするべきじゃないだろうか。
あたしが連絡したら謝ってしまえばいいって
その程度に思われてるのかと思った。
あたしはまだ長く付き合いたいと思ってるから、
ないがしろにされるのはいやだと伝えたかった。


それから数時間後に、


「本当にごめんなさい
 もうあなたとは一切約束を交わしません
 僕に出来る最後の約束です
 長い間友達でいてくれてありがとう
 幸せになってくださいさようなら」


というメールがきた。
書いてある意味がよくわからなかった。
ふらふらとバスを降りて傘を差して横断歩道を渡った。
その人に電話しようかと思ったけど、
彼に電話した。


「どした?」
「あのね」
「うん?」
「・・・えーと
 いま時間大丈夫と?」
「ごはんの途中やけど」
「あ、やっぱりいい・・・あとでまた電話s」
「いいよ、どしたと?」


そのあとついに限界がきて涙が出てきた。
電話越しに声をつまらせるあたしに、
彼は少し動揺したようにも思えた。


「深呼吸しよ」


と彼は言って、
泣きながらまとまらないあたしの話を聞いてくれた。
彼はあたしとまったく違った視点で事実を見て、
彼の考えはあたしの悪循環スパイラルを止めた。


「俺も約束して連絡せんかったり2時間遅刻したり
 同じことやってしまったけんえらそうなことは言えん
 でも『ないがしろにされるのはかなしい』って
 あのとき言ったやん?
 (以下云々)」


結果的に彼に再反省させることになってしまった。
でもそうやって過去の自分の過ちに触れることは、
あたしをこれからないがしろに
するつもりはない意味だと受け取った。


彼はあたしにとって好きな人で友達で家族で尊敬できる人。
こんな一人何役もこなす彼を大切にしたい。
あのメールを受け取ったときは目の前が真っ暗になったけど、
そしてあたしの中での絶対的だと思ってた人が
またひとりいなくなってしまったけど、
でも彼が大切にしてくれてることに重点を置きたい。


その人のことについて思うことはたくさんある。
知り合って6年で最初は苦手だったし
それから仲良くなっていろんな思い出がある。


でも彼がいったようにあたしは「これから」がみたい。
あたしも彼に対する過去の過ちがあるけど、
彼にあたしの「これから」を見てもらいたい。